沖退連「ジェンダー講演会&沖縄県知事選挙総決起集会」を開催

沖縄県退職者連合(会長 波平 剛)は2026年8月13日(木)に浦添市社会福祉センター大研修室において「ジェンダー講演会&沖縄県知事選挙総決起集会」を開催しました。当日は、高良沙哉参議院議員による講演と沖縄県知事選挙に向けた総決起集会を開催し、沖退連を構成する各退職者団体から72名の会員が参加しました。

主催者を代表して、沖退連波平剛会長は、「復帰運動時代に日の丸を掲げることが禁じられていたが、戦後、文部省が『新しい憲法の話』という本を全国の学校に配布し、復帰前の沖縄の学校にも届いた。その本には、平和と安心、戦争放棄が謳われていた。本日、不快な思いをさせる行為を罰するという『国旗損壊罪』が施行された。誰がどんなことをしたら罰せられるのか曖昧な基準となっており、大きな懸念を抱かざるを得ない。
8月6日の広島、 9日の長崎の原爆死没者慰霊式において高市総理は『我が国は非核三原則を堅持しており、長崎を最後の被爆地という誓いの下、唯一の戦争被爆国の使命として、核兵器のない世界の実現に向けた取り組みを推進します。今後も広島アクションプランに基づき、一歩一歩着実に努力を進めていきます』と広島・長崎で語った。
しかし、その後の記者会見では、これをしっかりとやっていくという話はしない。小泉防衛大臣が非核三原則を無視するような発言をしても高市総理は沈黙している。私たちはこのような政治を進める政党が支持する候補者に次期知事選挙負けるわけにはいきません。
今回は、憲法の専門家でもある高良沙哉議員を招き、ジェンダー平等に関する講演をしていただくことになっている。ジェンダー平等の取り組み、この憲法が保障する平等な社会の推進と平和と民主主義を守り、憲法改正を許さない、そういう取り組みとしての学習会でもあるので、本日の講演会を通して、改めて次期知事選挙への団結と憲法改悪を許さない、そういう決意をみんなで固めていただければと思う」と述べました。
第1部:講演会 高良 沙哉 参議院議員
「日本初の女性総理の引き起こすジェンダー平等に逆行する政治」

講演で高良議員は、ジェンダーを「社会の中で『らしさ』として人々を枠にはめるもの」と定義し、沖縄の男子大学生が長男としての伝統的役割(仏壇・墓の管理、行事参加義務)に縛られ、県外進学や自由な生き方を制限されている事例や女性も子育て・介護・家事を担いながら社会で男性と対等に働くことを求められる『ハードなワーク』を強いられており、若い女性が結婚・出産を躊躇する要因になっていると述べ、自身も大学教員として産休を取得する際に多くの人に謝罪を強いられた経験談も紹介されました。
【日本のジェンダー後進性と政治分野の課題】について、「日本のジェンダーギャップ指数が148カ国中118位であり、韓国・中国よりも低い水準にあることを指摘し、教育・健康分野では比較的平等が実現されているが、政治・経済分野での女性参画が著しく低く、全体の順位を引き下げている」と説明しました。
また、昨今の【皇室典範改正】について、「2026年の改正で男系男子の養子縁組が可能になったことに触れ、憲法には『皇位は世襲』とのみ記されており、男系男子継承を義務付ける条文は存在しないにもかかわらず、皇室典範によって不平等が維持されている」と指摘しました。
さらに、高市政権下で選択的夫婦別姓が実現していないこと、比例議席削減が女性議員の当選機会を奪う可能性があること、女性総理でありながらより軍事主義的・マッチョな政治を強化していることも批判しました。
その他にも、【玉城デニー知事の実績と政策】について述べ、「2期8年の実績として、男性育児休業取得率が全国平均を上回る水準に達したこと、また、パートナーシップ・ファミリーシップ制度の導入により、同性カップルや子どもを育てる家族が家族として認められる環境が整備されたことを評価しました。玉城知事の3期目公約として、①賃金格差の解消(特に女性一人親世帯の貧困対策)、②性暴力被害ワンストップ支援センターの拡充(2023年12月の米兵による少女への性暴力事件で被害者がセンターの存在を知らなかった問題への対応)、③国際家事相談機能の強化(米軍人とのDV・離婚問題への対応)、④LGBTQ・性の多様性の尊重、⑤若年妊産婦への支援を紹介し、特にワンストップ支援センターの拡充が公約に盛り込まれたことへの喜び」を表明しました。
最後に、【性教育と性暴力問題】について、「包括的性教育の重要性を強調し、性被害に遭う子どもの年齢は0歳から始まる。保守化した政治の下で性教育が十分に実施できない状況が続いており、LGBTQ当事者の子どもが教員から差別的な言葉を投げかけられて不登校になるケースもある。米軍の性暴力問題を長年研究してきた立場から、性暴力は「支配の暴力」であり、戦場での性暴力は地域支配の証明として使われる。沖縄のように度々過酷な事件が起きる地域だからこそ、ジェンダー意識を持った人物が県政を担うことが重要」と訴えました。
第2部:沖縄県知事選挙総決起集会

総決起集会で、新垣邦男氏(玉城デニー知事を支える 県民と歩む会事務総長)があいさつを行いました。新垣氏は、9月13日に予定される県知事選の情勢を共有し、これからの沖縄のために、玉城デニー知事の支持を拡げていく事が重要であると述べました。

続いて、玉城デニー沖縄県知事が挨拶に立ち、衆議院議員として4期9年間、沖縄第3区(中北部14市町村)を代表して国会活動を行った経験に触れたうえで、知事就任後2期8年間の主な実績について説明しました。
新型コロナ対策では、県庁4階の講堂にコロナ対策本部を設置し、沖縄県医師会、看護協会、薬剤師会などと連携して24時間365日体制で対応したことや、離島へのワクチンの優先配布を実現したことを紹介しました。
また、豚熱、鳥インフルエンザ、海底火山噴火による軽石被害などへの対応についても説明し、軽石被害では民間建設業者の重機(ユンボ)を活用して港湾清掃を行ったことを紹介しました。
子どもの医療費については、令和4年から中学校卒業まで窓口負担を一律無料化したことを説明。子どもの貧困対策では、翁長前知事が設けた5年間30億円の基金を10年間60億円に倍増したことを実績として挙げました。
さらに、18歳から29歳(最大35歳)の若者を支援するため、令和8年(今年)から20億円規模の新たな基金を創設したことを説明しました。
今後に向けては「ヒューマンインフラ改革」を掲げ、特に交通渋滞問題の解消を最優先課題として説明しました。現在、交通渋滞による経済損失は年間1,455億円に上り、渋滞区間の平均速度は時速10km程度となっているとし、さらに悪化して時速5km程度となれば、経済損失は3,000億円に達するとの見通しを示しました。
その対策として、令和9年度から「交通まちづくり部(仮称)」を新設し、交通政策、まちづくり、基地返還跡地利用を一体的に推進する方針を示しました。
また、既存の制度では十分に支援が届かない方々を支えるため、「ゆいまーる基金事業」を新設する方針を説明。過去最高となった県税収入1,997億円を踏まえ、令和9年から20億円規模でスタートする考えを示しました。
最後に玉城知事は、参加者に向けて「万全の信頼をお寄せください」と述べ、「皆さんの信頼に心から応えていけるように、これからも頑張ってまいります」と参加者に対して強い決意を示しました。
集会では、沖退連から玉城知事へ「為書き」が手渡されたほか、九州各地の退職者組織からも支援の為書きが事務所に寄せられていることが報告されました。
最後に、沖退連副会長の座間味寛氏(全駐労退職者の会)が決意表明と団結ガンバロウを行い、総決起集会を終了しました。